なぜ経営計画?なぜ早く?
なぜ経営計画?なぜ早く?

なぜ「計画経営」をお勧めするのか。そしてなぜ「早く」なのか。

以下は経営悪化の一般的なスタイルです。



1.経営が好調な時に始まる赤字体質

人間には収入に合わせて使うお金も増えるという傾向があります。

人生も事業も同じですが、生まれてから最後を迎えるときに借金も返してきれいさっぱり終わるという収支サイクルがあります。これが本質的な決算期間です。

しかし、事業の場合は年度に区切られて課税されたり、株主に決算報告したりする年度サイクルでの評価があります。ある期間に大きな利益が出て評価されると、それがイコール会社の実力と考えて、それに合わせたお金の使い方が始まります。いわゆる年度決算思考のワナにはまった状態になります。

借入金がまだ残っているなら本質的な決算期間では赤字の状態なのに、過大な設備投資をしたり、経費が必要以上に膨らんだり、税金を減らすためにそれ以上にお金を減らすというようなことも始まります。本来の儲けは調達した資金を上回った部分です。1億円借りて、手許にキャッシュが1億2千万あるならば初めて2千万円の儲けがあるということになります。そうでないのにモノを買うということは「儲け」から買っているのではなくて「借金」で買っているということになります。買ってしまった資産の価値はどんどん目減りしますが、借入金は目減りしません。



2.売上の減少とともに始まる赤字体質の急な下り坂

「売上は七難隠す」と言いますが、好調なときには自覚症状は現れません。しかし、いったん事業のライフサイクルが成熟期を迎え、売上が下降し始めると一気に症状が現れます。コスト高と相まって損益で赤字を計上し、大きな元利が重くのしかかります。時間とともに進行してきた病なので、そこで慌てて対策を講じてもすぐに止血することができません。過去のツケが一気に回ってくるのをしのいで回復するまでには相当かかります。しかし手許にはそれに耐えるだけの資金がありません。そのような状況になると銀行からの融資も受けられない格付けになっています。資産を売って現金にしようとしますが、売り手がつかず、売れても足元をみられます。資産は購入しやすく、売りにくいのです。かくしてあっという間に赤字が膨らんでいきます。



3.資金繰りのための奔走

このような事態になると金融機関に対して返済猶予をお願いする事態に発展します。そのための説明資料や面談で多くの時間がとられます。資金繰りに奔走して、本来取り組まなければならない本業もおぼつかなくなってきます。朝から晩まで資金繰りのことで頭がいっぱいになり、回復のための戦略プランなど落ち着いて考えられません。本来の能力が半分も出せない状態で事態はさらに悪化します。



4.取引先への影響

次に起こるのは取引先への支払い遅延です。手形サイトは延期の申し入れとなります。こうなると現金取引を要求されるようになり、ますます資金繰りが苦しくなります。



5.従業員のモチベーション低下

税金や社会保険料の滞納がさらなるプレッシャーとなります。
取引先をはじめ従業員からも信用不安が起こります。再建にもっとも重要な従業員のモチベーションが瓦解をはじめます。



6.顛末

最後に支払いが完全に滞り、債権者は差押・競売申立等の債権の個別的強制取立に走り、もはや一定の秩序だった倒産企業の処理さえ不可能なことにも・・・。
従業員とその家族、取引先や金融機関に迷惑をかけていることにより、精神的に追い込まれます。
そして、最後に最も身につまされる子供からのひとこと、「お父さん、私たちこれからどうなるの?」
こういうときになって改めて気づきます。「あんしんということがシンプルだけどどれだけ幸せなことかと」。

時間は取り戻せませんので、「計画」そして「早く」ということになります。
逆に早く取り組むことで、全く別の素晴らしいエンディングがあるはずです。
計画経営はリスクコントロールだけではありません。本来の意義は、生き様と成長を描くことにあると考えます。

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